★巻頭コラム――カメのつぶやき
今年は少し雨季の到来が早かったように感じます。
連日の最高気温は33〜34度位になりますが、突然の雷鳴と共にさっと驟雨が
街を駈け抜け、日中の暑気を払ってくれるようです。
5月に入り、何故か連続してメディア関連の方々からお問い合わせや取材協力の
お申し込みを受けました。
そのなかの一人、フリーライターの戸田智弘さんは「アジア」「高齢化社会」
「仕事」をテーマとして取り組んでこられました。
著書に、『老後をアジア・リゾートで暮らす』(双葉社)、『50歳からの脱
ニッポン読本』(双葉社)、『妻が夫に書かせる遺言状』(主婦の友社)、『5
0歳からの海外ボランティア』(双葉社)『海外リタイア生活術』(平凡社新書)
があります。
今回も秋口に発刊される単行本の取材です。
取材対象者として、当地で活躍されるシニア世代の方々をご紹介するのが、小生
が仰せつかった依頼内容でした。
暇だったので、丸一日インタビューに同行して、皆さんのお話を伺ったのですが、
これがすこぶる面白かった。
日本の企業を辞めて現地資本の会社で働く方もいれば、自分で起業された方もい
ます。
また、働く事自体を止め、自由な時間の中で自分の志を追及している方もいます。
これらの方に次のように同じ質問をしてみました。
「タイで長く生活したり、仕事をする上で、成功の秘訣は何ですか?」
すると異口同音に「過去の自分の経歴をすてること。」と、お答えになります。
それぞれ違う環境、違う動機でタイに暮しているはずなのに同じように考えてらっ
しゃることに驚きを覚えました。
それと同時に、過去にとらわれず新しい人生に挑戦する姿勢に、清々しさ、潔さ
を感じました。
自分自身の存在、生き方を面白がり、楽しんでいるように見受けられたのです。
こうした考え方も海外で長期滞在を成功させる秘訣なのですね。
*********************************************************************
【目次】
★バーンタオ日誌
・「入賞したからまあいいや、、、。」旅行業界ゴルフコンペ参加
・「感激!」フリージャーナリスト橋田信介さんと会食
・あるホテルマンとのお別れ
・フリーライター戸田智弘さんの取材に同行
・その他
★バンコク週報連載コラム――シニア世代のためのライフスタイル革命――
第4回 「年金20万円では暮らせませんか?」
************************************************************************
★バーンタオ日誌
・「入賞したからまあいいや、、、。」旅行業界ゴルフコンペ参加:5月4日(土)
LAKE WOOD C.C.にて毎月恒例の旅行業界コンペに参加。
パートナーに恵まれ(?)49・47=96、ハンデ24、ネット72で3位入
賞。
ショートパットが全然入らない、ストレスのたまるゴルフだったが、「入賞した
からまあいいや。」とは不遜なコメント。
・「感激!」フリージャーナリスト橋田信介さんと会食:5月12日(日)
戦争取材で知られるバンコク在住のフリージャーナリスト橋田信介さんから電話。
長期滞在の件で話を聞きたいとの事。
バンコク週報に掲載された小生のコラムを読んでくださったそうだ。
早速昼食を一緒にとりながら話をする事に。
スクンビット通りの「一休庵」にて食事をしながら約2時間ほどお話をさせてい
ただいた。
仕事の話もさることながら、実は小生この方の著作を何冊か読み、感銘を受けた
ことがある。学生の頃まではジャーナリスト志望であり、憧れのような存在の方
だったので、色々お話を伺えたのは感激だった。
最近の著書「戦場特派員」(実業之日本社刊)を頂戴した。
サインしてもらうのを忘れた。小生も実はミーハーなのだ。
・あるホテルマンとのお別れ:5月17日(金)
某ホテル営業支配人Tさんの送別パーティー。
Tさんには本当にお世話になった。
小生が前いた会社は業界最大手のひとつだ。在職中はホテルの人たちも何かと声
を掛けてくれた。
殆どの人は辞めた途端つき合いの態度もガラッと変えた。
まあ、自分の事業の立ち上げに夢中だったし、そんな事をいちいち気にする程ナ
イーブな歳でもなかったが、所詮人間関係なんてそんなものかと耳掻き一杯程の
寂しさを感じたのも事実だ。
そんななか、見事なくらいに以前と同じように接してくださった方の一人がTさ
んだ。言葉では簡単だけど、それが出来る人はなかなかいないですね。
パーティー開始後しばらくして、総支配人の挨拶。
その後Tさんが登壇。5年間の在タイの想い出、参加者への感謝の言葉を述べる。
さすがホテルマン、冷静に、穏やかに、ソツなくまとめるなあと関心していたと
ころ突然絶句。とうとう熱いものがこみ上げて来たようだ。
しばらくの沈黙。
そろそろ小生が合いの手を入れようかと思ったところ、
「私は強いから泣きません!!」
でも、発したその言葉は涙で濡れていた。
初めて見せた涙でもらい泣きした。
・フリージャーナリスト戸田智弘さんの取材に同行:5月20日(月)
終日、ジャーナリストの戸田智弘さんの案内。
弊社顧問長谷川さん始め、多くのシニアの方のインタビューに同席させてもらう。
人間ドキュメンタリーのライブを聞くようで、非常に面白かった。
ただ単なる雑談ではなく、戸田さんという一人の書き手が媒体になり、様々な角
度からの質問によって相手の個性が引き出される様はとてもエキサイティングで
さえあった。
(戸田さんもHPを持っている。とても参考になった。
http://homepage2.nifty.com/kaigai-seikatu-net/)
*********************************************************************
★バンコク週報連載コラム――シニア世代のためのライフスタイル革命――
第4回 「年金20万円では暮らせませんか?」
「年金20万円以内で暮らしたい?バンコクでそんなに安く暮らせるわけがない
でしょう。」
少し前の話になるが、今年の正月早々、タイで長期滞在を希望する初老の男性が
小生をたずねてきた。
Kさん(60歳)。昨年定年を迎え、現在は千葉県で一人暮らしをしている。
タイの長期滞在を特集した読売新聞元旦特別号(東南アジア衛星版)を見たとい
う。インタビュー記事のコーディネートをした関係で、支局への問い合せが小生
に廻ってきたのだ。
海外での長期滞在を推進する団体に紹介され、昨年末バンコクのある業者を訪ね
た。冒頭のせりふは、そこの日本人責任者からいわれたのだそうだ。更に追い討
ちをかけるように「あなたに与える情報は一切ありませんよ。そんなに安く暮し
たいのなら、カオサン通りやマレーシアホテル近くのヒッピーが屯している所に
行きなさい。」とも。カオサンを愛する口の悪い友人は、「その日本人責任者の
認識は間違っている。いまどきカオサン通りにはヒッピーなんかいない。物価が
高くなり過ぎて、、、。」と皮肉を云っていた。
Kさんはこの後自分で日本人経営の不動産業者なども廻ったが、どこでも似たり
寄ったりの対応を受けたそうだ。
「タイで老後の一時期を過ごすことは出来ないのだな」とあきらめて、翌日帰国
すると言う日に新聞記事を思い出し、最後の希望を託して電話をかけてきた次第
だ。
以前より危惧していた事とは言え、あまりの事に言葉を失う。日本の団体が推薦
している業者でさえこういう対応をしているのだ。Kさん以外にも、多くの長期
滞在希望者が失望して帰っているに違いない。
タイ政府が日本からの長期滞在者の誘致に力を入れ始めたこともあり、様々な業
者が注目し、参入するようになった。「バブルよもう1度」といった大型リタイ
アメント施設の開発や高価な会員制プログラムといった、少々違和感を感じるよ
うな話も数多く耳にする。
多様なコンセプトの業者があって良いと思う。高所得層だけにセグメントし、
「ばら色のハッピーリタイアメント」を謳い文句にするのも結構だ。
ただ、業者側の思惑ばかりが前面にでて、極く当たり前のタイでの生活情報が適
正に伝わっていないことが問題だ。折角萌芽期にあるタイでの長期滞在の可能性
をも、みずから摘んでしまっているのだ。何年も前からもてはやされている割に、
この分野で成功しているところが未だにないのも当然か。
タイにいる日本人が、タイに引退後の夢を抱いてきた同じ日本人、人生の先達で
ある年金生活者の夢を摘む。良くある話と言うものの、とても切ない暗い話だ。
Kさん達に代わって問いたい。 「なぜ年金20万円では暮らせないのですか?」
(2002年5月3日〜5月9日号)
YATAGAI Yoshinari / Managing Director
今年は少し雨季の到来が早かったように感じます。
連日の最高気温は33〜34度位になりますが、突然の雷鳴と共にさっと驟雨が
街を駈け抜け、日中の暑気を払ってくれるようです。
5月に入り、何故か連続してメディア関連の方々からお問い合わせや取材協力の
お申し込みを受けました。
そのなかの一人、フリーライターの戸田智弘さんは「アジア」「高齢化社会」
「仕事」をテーマとして取り組んでこられました。
著書に、『老後をアジア・リゾートで暮らす』(双葉社)、『50歳からの脱
ニッポン読本』(双葉社)、『妻が夫に書かせる遺言状』(主婦の友社)、『5
0歳からの海外ボランティア』(双葉社)『海外リタイア生活術』(平凡社新書)
があります。
今回も秋口に発刊される単行本の取材です。
取材対象者として、当地で活躍されるシニア世代の方々をご紹介するのが、小生
が仰せつかった依頼内容でした。
暇だったので、丸一日インタビューに同行して、皆さんのお話を伺ったのですが、
これがすこぶる面白かった。
日本の企業を辞めて現地資本の会社で働く方もいれば、自分で起業された方もい
ます。
また、働く事自体を止め、自由な時間の中で自分の志を追及している方もいます。
これらの方に次のように同じ質問をしてみました。
「タイで長く生活したり、仕事をする上で、成功の秘訣は何ですか?」
すると異口同音に「過去の自分の経歴をすてること。」と、お答えになります。
それぞれ違う環境、違う動機でタイに暮しているはずなのに同じように考えてらっ
しゃることに驚きを覚えました。
それと同時に、過去にとらわれず新しい人生に挑戦する姿勢に、清々しさ、潔さ
を感じました。
自分自身の存在、生き方を面白がり、楽しんでいるように見受けられたのです。
こうした考え方も海外で長期滞在を成功させる秘訣なのですね。
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【目次】
★バーンタオ日誌
・「入賞したからまあいいや、、、。」旅行業界ゴルフコンペ参加
・「感激!」フリージャーナリスト橋田信介さんと会食
・あるホテルマンとのお別れ
・フリーライター戸田智弘さんの取材に同行
・その他
★バンコク週報連載コラム――シニア世代のためのライフスタイル革命――
第4回 「年金20万円では暮らせませんか?」
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★バーンタオ日誌
・「入賞したからまあいいや、、、。」旅行業界ゴルフコンペ参加:5月4日(土)
LAKE WOOD C.C.にて毎月恒例の旅行業界コンペに参加。
パートナーに恵まれ(?)49・47=96、ハンデ24、ネット72で3位入
賞。
ショートパットが全然入らない、ストレスのたまるゴルフだったが、「入賞した
からまあいいや。」とは不遜なコメント。
・「感激!」フリージャーナリスト橋田信介さんと会食:5月12日(日)
戦争取材で知られるバンコク在住のフリージャーナリスト橋田信介さんから電話。
長期滞在の件で話を聞きたいとの事。
バンコク週報に掲載された小生のコラムを読んでくださったそうだ。
早速昼食を一緒にとりながら話をする事に。
スクンビット通りの「一休庵」にて食事をしながら約2時間ほどお話をさせてい
ただいた。
仕事の話もさることながら、実は小生この方の著作を何冊か読み、感銘を受けた
ことがある。学生の頃まではジャーナリスト志望であり、憧れのような存在の方
だったので、色々お話を伺えたのは感激だった。
最近の著書「戦場特派員」(実業之日本社刊)を頂戴した。
サインしてもらうのを忘れた。小生も実はミーハーなのだ。
・あるホテルマンとのお別れ:5月17日(金)
某ホテル営業支配人Tさんの送別パーティー。
Tさんには本当にお世話になった。
小生が前いた会社は業界最大手のひとつだ。在職中はホテルの人たちも何かと声
を掛けてくれた。
殆どの人は辞めた途端つき合いの態度もガラッと変えた。
まあ、自分の事業の立ち上げに夢中だったし、そんな事をいちいち気にする程ナ
イーブな歳でもなかったが、所詮人間関係なんてそんなものかと耳掻き一杯程の
寂しさを感じたのも事実だ。
そんななか、見事なくらいに以前と同じように接してくださった方の一人がTさ
んだ。言葉では簡単だけど、それが出来る人はなかなかいないですね。
パーティー開始後しばらくして、総支配人の挨拶。
その後Tさんが登壇。5年間の在タイの想い出、参加者への感謝の言葉を述べる。
さすがホテルマン、冷静に、穏やかに、ソツなくまとめるなあと関心していたと
ころ突然絶句。とうとう熱いものがこみ上げて来たようだ。
しばらくの沈黙。
そろそろ小生が合いの手を入れようかと思ったところ、
「私は強いから泣きません!!」
でも、発したその言葉は涙で濡れていた。
初めて見せた涙でもらい泣きした。
・フリージャーナリスト戸田智弘さんの取材に同行:5月20日(月)
終日、ジャーナリストの戸田智弘さんの案内。
弊社顧問長谷川さん始め、多くのシニアの方のインタビューに同席させてもらう。
人間ドキュメンタリーのライブを聞くようで、非常に面白かった。
ただ単なる雑談ではなく、戸田さんという一人の書き手が媒体になり、様々な角
度からの質問によって相手の個性が引き出される様はとてもエキサイティングで
さえあった。
(戸田さんもHPを持っている。とても参考になった。
http://homepage2.nifty.com/kaigai-seikatu-net/)
*********************************************************************
★バンコク週報連載コラム――シニア世代のためのライフスタイル革命――
第4回 「年金20万円では暮らせませんか?」
「年金20万円以内で暮らしたい?バンコクでそんなに安く暮らせるわけがない
でしょう。」
少し前の話になるが、今年の正月早々、タイで長期滞在を希望する初老の男性が
小生をたずねてきた。
Kさん(60歳)。昨年定年を迎え、現在は千葉県で一人暮らしをしている。
タイの長期滞在を特集した読売新聞元旦特別号(東南アジア衛星版)を見たとい
う。インタビュー記事のコーディネートをした関係で、支局への問い合せが小生
に廻ってきたのだ。
海外での長期滞在を推進する団体に紹介され、昨年末バンコクのある業者を訪ね
た。冒頭のせりふは、そこの日本人責任者からいわれたのだそうだ。更に追い討
ちをかけるように「あなたに与える情報は一切ありませんよ。そんなに安く暮し
たいのなら、カオサン通りやマレーシアホテル近くのヒッピーが屯している所に
行きなさい。」とも。カオサンを愛する口の悪い友人は、「その日本人責任者の
認識は間違っている。いまどきカオサン通りにはヒッピーなんかいない。物価が
高くなり過ぎて、、、。」と皮肉を云っていた。
Kさんはこの後自分で日本人経営の不動産業者なども廻ったが、どこでも似たり
寄ったりの対応を受けたそうだ。
「タイで老後の一時期を過ごすことは出来ないのだな」とあきらめて、翌日帰国
すると言う日に新聞記事を思い出し、最後の希望を託して電話をかけてきた次第
だ。
以前より危惧していた事とは言え、あまりの事に言葉を失う。日本の団体が推薦
している業者でさえこういう対応をしているのだ。Kさん以外にも、多くの長期
滞在希望者が失望して帰っているに違いない。
タイ政府が日本からの長期滞在者の誘致に力を入れ始めたこともあり、様々な業
者が注目し、参入するようになった。「バブルよもう1度」といった大型リタイ
アメント施設の開発や高価な会員制プログラムといった、少々違和感を感じるよ
うな話も数多く耳にする。
多様なコンセプトの業者があって良いと思う。高所得層だけにセグメントし、
「ばら色のハッピーリタイアメント」を謳い文句にするのも結構だ。
ただ、業者側の思惑ばかりが前面にでて、極く当たり前のタイでの生活情報が適
正に伝わっていないことが問題だ。折角萌芽期にあるタイでの長期滞在の可能性
をも、みずから摘んでしまっているのだ。何年も前からもてはやされている割に、
この分野で成功しているところが未だにないのも当然か。
タイにいる日本人が、タイに引退後の夢を抱いてきた同じ日本人、人生の先達で
ある年金生活者の夢を摘む。良くある話と言うものの、とても切ない暗い話だ。
Kさん達に代わって問いたい。 「なぜ年金20万円では暮らせないのですか?」
(2002年5月3日〜5月9日号)
YATAGAI Yoshinari / Managing Director




